立川の弁護士「竹村淳」が専門的観点から執筆 法律コラム

従業員の給与振込口座を会社が指定できるか

コラム2021-02-15

同じ銀行間の振込である場合、振込手数料を無料としている銀行は多いと思われます。では、振込手数料を節約するために、給与振込先の口座を会社が指定することはできるのでしょうか。

この点、 労基法24条1項本文は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と規定しています。

つまり、給与は、現金で、手渡しで支払うことが、労基法上の原則なのです。これを「通貨払いの原則」「直接払いの原則」といいます。

しかし、これには例外があり、従業員の同意を得た場合には、従業員が指定する口座に振り込むことができます(労基則7条の2第1項)。

なお、通達によれば、同項における「同意」については、従業員の意思に基づくものである限り、その形式は問わず、「指定」とは、従業員が給与先として銀行その他の金融機関に対する当該従業員本人名義の口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同項の同意が特段の事情のない限り得られているものと解するべきとされています。

以上から、設問の回答としては、会社としては給与の振込先の口座を強制することはできないということになります。

立川の弁護士竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は令和3年2月15日に執筆しています。

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