立川の弁護士「竹村淳」が専門的観点から執筆 法律コラム

借地契約の更新拒絶には「正当な理由」が必要

コラム2018-11-15

借地契約の更新拒絶には「正当な理由」が必要

 

建物所有を目的とする借地契約は、期間は最低でも30年ですので(借地借家法3条)、非常に長期間ではありますが、それても、期間の定めがあれば、いつかは期間が満了するときが来ます。

では、期間が満了したときは、地主は借地権者に対して、借地契約の終了を主張して、土地の明渡しを請求できるのでしょうか。

この点につき、借地借家法は、借地権者が更新を請求した場合あるいは更新の請求をしなくとも土地の使用を継続する場合は、遅滞なく異議を述べなければならず(同法5条)、かつ、異議を述べることについて「正当な理由」がなければならないとしています(同法6条)。

この「正当な理由」の判断にあたっては、①地主と借地権者それぞれの土地の使用を必要とする事情、②借地に関する従前の経過、③土地の利用状況、④財産上の給付の申出の有無及びその内容を考慮するとされています(同法6条)。

この①~④の考慮要素は並列的なものではなく、「(前略)~土地の使用を必要とする事情の『ほか』、借地に関する従前の経過~(後略)」という条文の文言から、①の当事者双方の土地使用の必要性が主たる考慮要素であり、②~④は従たる考慮要素であると考えられています。

したがって、地主が土地の使用を必要とする事情が全く認められない場合については、高額な立退料の提供を申し出たとしても、「正当な理由」があるとはいえないということになります(もっとも、現実に、地主が土地の使用を必要する事情が全くないにもかかわらず、借地契約の終了を求める場合というのは、あまり考えられないかもしれません)。

この「正当な理由」については、膨大な数の裁判例の集積があり、裁判となったときには、その過去の裁判例を踏まえた主張を組み立てる必要があります。

しかし、「正当な理由」は一義的なものではないので、過去の裁判例を分析しただけでは足りず、いかにその事案に即した説得的な主張ができるか(文章を書けるか)によるところが大きいといえます。

この問題は、弁護士の力量が特に問われる問題であるといえるでしょう。

立川弁護士 竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は平成30年11月15日時点の法律に基づき執筆しています。

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