「分譲マンションを所有しているが、2年間転勤することになったので、その期間だけ貸したい」
このようなニーズがある場合、定期賃貸借制度の利用を検討するべきです。
定期借家契約とは、書面により賃貸借契約書を締結する等の一定の要件を満たすことにより、契約期間の満了によって確定的に建物賃貸借契約を終了させることができる賃貸借契約のことをいいます。
では、定期借家契約ではなく、普通の建物賃貸借契約では何が問題なのでしょうか。
定期賃貸借ではない普通の建物賃貸借契約の場合、建物の賃貸人が更新の拒絶または賃貸借契約の解約の申入れをして賃貸借契約を終了させるためには、「正当な事由」があると認められなければなりません。
この「正当な事由」は、賃貸人と賃借人それぞれの建物を使用する必要性の比較のほか、賃貸借契約に関するそれまでの経過、建物の利用状況、建物の現況、立退料の提供を考慮して判断されるのですが、裁判所で「正当な事由がある」と認められるためのハードルは相当高いといえます。
ですので、少なくとも、明確に期限を区切って貸したいという場合には、場合によってはいつまでも居座られかねない普通の建物賃貸借契約は不適切、ということになります。
Last Updated on 2023年11月23日 by takemura_jun