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「民泊」と「旅館業法」の関係その2

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立川弁護士 竹村淳

弁護士 竹村 淳 

オレンジライン法律事務所の代表弁護士。
東京都立川市を中心とした地域で活動している弁護士です。
労使紛争、債権回収、賃貸借契約、契約書作成などの企業の法律問題のほか、相続問題や交通事故など個人の法律問題も幅広く法的サポートを提供しており、クライアントのニーズに応じた柔軟なアドバイスを行っています。弁護士としての豊富な経験を活かし、複雑な案件にも迅速かつ的確に対応。ブログでは、日々の法的トピックや事例紹介を通じて、わかりやすく実務的な法律情報を提供しています。

「民泊」と「旅館業法」の関係その2


 

「人を宿泊させる営業」とは

前回の記事はこちら

旅館業法は「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をする場合は許可が必要としていますが、ここでいう「人を宿泊させる営業」とはどのようなことを指しているのでしょうか。

「営業」の意味

 
まず、「営業」につき、厚生労働省は、「社会性をもって継続反復されているもの」であり、ここでいう「社会性をもって」とは、社会通念上、個人生活上の行為として行われる範囲を超える行為として行われるものであるとの見解を示しています(民泊サービスと旅館業法に関するQ&AのQ5

これによれば、一般的には、知人・友人を宿泊させる場合は「社会性をもって」には該当せず、旅館業法上の許可は不要であり、営業に該当しない以上、宿泊に対する対価を受け取ったとしても、旅館業法上の問題は生じないことになります。

一方、インターネットを利用して、広く宿泊者の募集を行い、繰り返し人を宿泊させうる状態にした場合は「社会性をもって継続反復されているもの」に該当し、宿泊に対する対価を受け取るためには、旅館業法上の許可が必要となります。

「宿泊させる」の意義 賃貸業とは何が異なるのか

では、同じく人を宿泊させる営業である旅館業法と賃貸業とは何が違うのでしょうか。

この点につき、厚生労働省は、旅館業がアパート等の貸室業と違う点は、(1)施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること、(2)施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこと)にあるとの見解をとっています(民泊サービスと旅館業法に関するQ&AのQ1

この見解を前提に、厚生労働省は、ウィークリーマンションにつき、利用者交替時の室内の清掃・寝具類の管理等の施設の衛生管理の基本的な部分は営業者の責任により確保されており、利用の期間、目的等からみて、本施設には利用者の生活の本拠はないとみられるとして、旅館業法の「人を宿泊させる営業」に該当するとしています(昭和63年1月29日厚生省生活衛生局指導課長通知)。

立川の弁護士竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は平成30年2月24日時点に存在する法律を前提に執筆しています。

Last Updated on 2023年11月23日 by takemura_jun