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遺言の検認当日の流れ(東京家庭裁判所の場合)

この記事を書いた人
立川弁護士 竹村淳
弁護士 竹村 淳 

オレンジライン法律事務所の代表弁護士。
東京都立川市を中心とした地域で活動している弁護士です。
労使紛争、債権回収、賃貸借契約、契約書作成などの企業の法律問題のほか、相続問題や交通事故など個人の法律問題も幅広く法的サポートを提供しており、クライアントのニーズに応じた柔軟なアドバイスを行っています。弁護士としての豊富な経験を活かし、複雑な案件にも迅速かつ的確に対応。ブログでは、日々の法的トピックや事例紹介を通じて、わかりやすく実務的な法律情報を提供しています。

目次

遺言の検認当日の流れ(東京家庭裁判所の場合)

自筆で書いた遺言の場合、原則として、裁判所での検認手続きが必要となります(民法1004条)。この検認手続きが必要ということは、いろいろな方がインターネット上で書いていますが、検認手続きの当日の流れについては、ほとんど情報がないように思うので、書いてみます。

ただし、ここで私が書く内容は、令和5年(2023年)8月時点の東京家庭裁判所での取り扱いであり、時期が違ったり、あるいは、別の裁判所によっては、取り扱いが異なる場合があります。また、東京家庭裁判所でも、担当裁判官によって違いがあるかもしれません。これらの点はご注意ください。

さて、検認手続き当日は、東京家庭裁判所17階にある家事第4部書記官室前の待合室に向かいます。

待合室には受付票があるので、それに署名します(受付票には、申立人、申立人以外の他の相続人、申立人代理人の署名欄があります)。

時間になると、担当の裁判所書記官に呼ばれ、検認手続きを行う審判廷に移動します。審判廷は、形としては、ドラマなどで見る法廷をイメージしてもらえればと思います。

審判廷に移動すると、担当裁判官がおり、検認手続きが始まります。

検認手続きでは、まず、出席者の確認(誰が出席しているのか)がされます。そして、この検認手続きは、遺言の有効無効を判断する場ではない旨の説明がされます。

そのうえで、遺言書に封がされている場合は、裁判官(実際に開封をするのは書記官ですが)が開封をします。

開封がされた後、裁判官が形状などを確認したうえで、出席者に対し、遺言書本体や封筒に記載されている字が誰のものか、印影が誰の印鑑のものなのかについて質問がされます。この質問は、申立人のみならず、出席した他の相続人に対してもされます。

この質問に対しては、「~のものです」と必ずしも明確に答える必要はなく、「おそらく~のものだと思う」だとか「わからない」という回答でも、問題ありません。

裁判官(裁判所書記官)はこの回答を記録します。

これで検認手続き自体は終了です。

しかし、まだ帰れません。

その後、再び、書記官室前の待合室に戻ります。

なにをするのかというと、遺言書に「検認済証明書」をつけてもらう申請を行います。

この手続きには、150円の収入印紙が必要ですので、事前に用意しておきましょう。なお、収入印紙は、裁判所地下のファミリーマート等で購入することができます。

申請をしてそのまま待っていると、裁判所書記官が、検認済証明書をつけた遺言書を返してくれます。

以上で遺言の検認手続きは終了となります。

時間としては全部で30~45分くらいかかります。

以上、なにかの参考になれば幸いです。

Last Updated on 2023年8月29日 by takemura_jun

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