社団法人と財団法人の理事の違い(解任について)
社団法人の理事は、社員総会の決議によっていつでも解任することができ、解任された理事は、解任に正当な理由がない場合を除き、社団法人に対し損害賠償が請求できるとされています(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律70条)。これは株式会社の取締役と同様の規定といえます(会社法339条)
一方、財団法人の理事は、①職務上の義務に違反しまたは職務を怠ったとき、もしくは、②心身の故障のため、職務の執行に支障があり、またはこれに堪えないときに限り、評議員会の決議によって解任することができるとされています(同法176条1項)。
以上の規定によれば、社団法人の理事は、決議の手続きが適法にされたのであれば、いかに合理的な理由のない解任であったとしても解任の有効性を争うことはできず、一方、財団法人の理事は、前記の解任事由が存在しないとして、解任の有効性を争うことができるということになります。
立川の弁護士竹村淳(オレンジライン法律事務所)
この記事は平成30年1月5日時点の法律に基づき執筆しています。
Last Updated on 2023年11月23日 by takemura_jun