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法律コラム 弁護士竹村淳が様々な観点から不定期で掲載する法律コラムです。

借地上の建物の増改築を地主が拒否した場合の対処法

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立川弁護士 竹村淳

弁護士 竹村 淳 

オレンジライン法律事務所の代表弁護士。
東京都立川市を中心とした地域で活動している弁護士です。
労使紛争、債権回収、賃貸借契約、契約書作成などの企業の法律問題のほか、相続問題や交通事故など個人の法律問題も幅広く法的サポートを提供しており、クライアントのニーズに応じた柔軟なアドバイスを行っています。弁護士としての豊富な経験を活かし、複雑な案件にも迅速かつ的確に対応。ブログでは、日々の法的トピックや事例紹介を通じて、わかりやすく実務的な法律情報を提供しています。

借地上の建物の増改築を地主が拒否した場合の対処法

 

土地の賃貸借契約においては、借地上の建物の増改築を行う場合には地主の承諾を得る必要がある旨の条項が置かれることがあります。

では、借地権者が建物の増改築を行いたいと考えたが、地主がそれを承諾しない場合、借地権者は増改築を諦めなければならないのでしょうか。

この点、借地借家法は、土地の通常の利用上相当とすべき増改築について、当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができ(借地借家法17条2項)、この裁判をする際に、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる(同法17条3項)との仕組みを設けました。

したがって、地主が増改築につき承諾をしなかったとしても、増改築の内容が「土地の利用上相当」であるならば、借地権者は、この申立てをすることによって、裁判所の許可を得て、増改築をすることができるということになります。

裁判所がこの許可の裁判をするにあたっては、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情が考慮されます(同法17条4項)。

裁判をするにあたり、特に必要がないと認める場合を除き、鑑定委員会の意見を聴かなければならないとされているところは、この仕組みの特徴的なところといえるでしょう(同法17条6項)。

なお、建物の種類、構造、規模または用途を制限する旨の借地条件がある場合に、その借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、地主が借地条件の変更を拒否した場合についても、これと同様の仕組みが設けられています(同法17条1項)。

立川弁護士 竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は平成30年11月14日時点の法律に基づき執筆しています。

Last Updated on 2023年11月23日 by takemura_jun