立川の弁護士「竹村淳」が専門的観点から執筆 法律コラム

「民泊」と「旅館業法」の関係その1

コラム2018-02-19

「民泊」と「旅館業法」の関係その1


 

「民泊」と旅館業法の許可

 

「民泊」は法律上の定義はありませんが、一般的には「自宅の一部や別荘、マンションの空き室などを活用して宿泊サービスを提供すること」と理解されていると思われますので、このコラムではその前提で話を進めることとします。

さて、宿泊サービスの提供に関する法律としては、従前から、旅館業法という法律が存在しており、同法は「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をする場合は、旅館業法上の許可が必要であるとしています。

前記の「民泊」の一般的な理解からすると、自宅等の建物を使用させる以上は「施設を設け」に該当することは明らかです。そうすると、そこで「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をする場合は、「民泊」であっても、旅館業法上の許可が必要となります。

逆にいえば、自宅等の建物を使用させて宿泊サービスを提供したとしても「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」でなければ、旅館業法上の許可は不要となります。したがって、無償で宿泊させる場合、許可は不要です


 

旅館業法の「宿泊料」とは

 

では、旅館業法の「宿泊料」には、どのようなものが含まれるのでしょうか。

この点、厚生労働省は「宿泊料は名目のいかんを問わず実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものは含まれる。例えば、休憩料はもちろん、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費も宿泊料とみなされる。また、宿泊施設付きの研修施設(セミナーハウス)等が研修費を徴収している場合も、例えば当該施設で宿泊しないものも含め研修費は同じとするなど当該研修費の中に宿泊料相当のものが含まれないことが明白でない限り研修費には宿泊料が含まれると推定される。ただし、食費やテレビ・ワープロ使用料など必ずしも宿泊に付随しないサービスの対価は宿泊料には含まれない」との見解を示しています厚生労働省HP・旅館業法の概要)。

厚生労働省の見解によれば、建物を利用することについて何らかの対価を受け取る場合は、ほとんど「宿泊料を受けて」に該当することになると考えられます。


 

以下、旅館業法の「人を宿泊させる」と「営業」の解釈については、次回の更新で解説します。

立川の弁護士竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は平成30年2月19日時点に存在する法律を前提に執筆しています。

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