裁判官の定年
憲法79条5項は「最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する」と規定し、また、憲法80条1項は、下級裁判所の裁判官は「法律の定める年齢に達した時には退官する」と規定します。
この「法律」というのは「裁判所法」であり、同法によると、最高裁判所の裁判官は70歳、高等裁判所、地方裁判所または家庭裁判所の裁判官は65歳、簡易裁判所の裁判官は70歳に達したときに退官するとされています(裁判所法50条)。
そして「年齢に達した時」とは、起算日に応答する日の前日が終了したとき、すなわち、定年の満年齢に達する誕生日の前日の午後12時のことをいうので(年齢計算ニ関スル法律2条、民法143条2項)、定年退官する日は、定年の満年齢に達する誕生日の前日ということになります。
具体例を挙げると、本日(2024年8月8日)現在の最高裁長官は、戸倉三郎裁判官ですが、戸倉裁判官は昭和29年(1954年)8月11日生ですので、令和6年(2024年)8月10日をもって定年退官することになります。
誕生日当日ではないということがポイントです。
この記事は2024年8月8日に投稿しました。
Last Updated on 2024年8月8日 by takemura_jun