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法律コラム 弁護士竹村淳が様々な観点から不定期で掲載する法律コラムです。

憲法改正の手続き

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立川弁護士 竹村淳

弁護士 竹村 淳 

オレンジライン法律事務所の代表弁護士。
東京都立川市を中心とした地域で活動している弁護士です。
労使紛争、債権回収、賃貸借契約、契約書作成などの企業の法律問題のほか、相続問題や交通事故など個人の法律問題も幅広く法的サポートを提供しており、クライアントのニーズに応じた柔軟なアドバイスを行っています。弁護士としての豊富な経験を活かし、複雑な案件にも迅速かつ的確に対応。ブログでは、日々の法的トピックや事例紹介を通じて、わかりやすく実務的な法律情報を提供しています。

憲法改正の手続き

憲法96条1項によれば、 憲法改正をするためには、各議院の総議員の3分の2以上の賛成を得たうえで、さらに国民投票にかけ、過半数の賛成を得る必要があります。

もう少し細かく見ていきましょう。

憲法改正の原案を国会に発議するためには、衆議院においては議員100人以上、参議院議員においては議員50人以上の賛成が必要です(国会法68条の2)。

これとは別に、衆議院と参議院に設けられた憲法審査会が発議するというルートもあります(国会法102条の7)。

原案の発議は、内容において関連する事項ごとに区分して行われます(国会法68条の3)。

衆議院と参議院のそれぞれで総議員の3分の2以上の賛成を得ることで、「憲法改正原案」は「憲法改正案」となり、国会が憲法改正の発議を行います(憲法96条1項)。

憲法改正の発議があったときは、憲法改正案の国民に対する広報に関する事務を行うため、衆議院議員と参議院議員各10名で構成される「国民投票広報協議会」が設置されます(国会法102条の11第1項、日本国憲法の改正手続に関する法律12条2項)。

この協議会は、「改正案及びその要旨並びに憲法改正案に係る新旧対照表その他参考となるべき事項に関する分かりやすい説明並びに憲法改正案を発議するに当たって出された賛成意見及び反対意見を掲載した国民投票公報の原稿の作成」等を行います(日本国憲法の改正手続に関する法律14条1項)。

国民投票は、国会が改正を発議した日から起算して60日以後180日以内に行われます(日本国憲法の改正手続に関する法律2条)。

国民投票において、改正案に賛成する投票が2分の1を超えたときは、憲法96条1項にいう「国民の承認」があったものとされます(日本国憲法の改正手続に関する法律126条1項)。

「国民の承認」があったときは、内閣総理大臣は直ちに憲法改正の公布のための手続きを行い(日本国憲法の改正手続に関する法律126条2項)、天皇が国民の名において改正された憲法を公布することになります(憲法96条2項)。

この記事は2024年8月7日に執筆しました。

Last Updated on 2024年8月7日 by takemura_jun