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法律コラム 弁護士竹村淳が様々な観点から不定期で掲載する法律コラムです。

戸籍謄本の交付の請求(誰が請求できるのか)

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立川弁護士 竹村淳

弁護士 竹村 淳 

オレンジライン法律事務所の代表弁護士。
東京都立川市を中心とした地域で活動している弁護士です。
労使紛争、債権回収、賃貸借契約、契約書作成などの企業の法律問題のほか、相続問題や交通事故など個人の法律問題も幅広く法的サポートを提供しており、クライアントのニーズに応じた柔軟なアドバイスを行っています。弁護士としての豊富な経験を活かし、複雑な案件にも迅速かつ的確に対応。ブログでは、日々の法的トピックや事例紹介を通じて、わかりやすく実務的な法律情報を提供しています。

戸籍謄本の交付の請求(誰が請求できるのか)

 

本人等による請求(戸籍法10条1項)

 

戸籍謄本の交付を請求できる人の範囲については、戸籍法に定めがあります。

戸籍法10条1項によれば、戸籍に記載されている者、その配偶者、直系尊属もしくは直系卑属は、戸籍謄本の交付を請求できるとされています。

これらの者の請求については、不当な目的によることが明らかでない限りは、認められます(同法10条2項)。

ですので、例えば、家系図を作りたいという動機で、自分の曾祖父母の戸籍謄本の交付を請求するというような場合は、全く問題なく認められます。

 

第三者による請求(戸籍法10条の2第1項)

 

では、前記の請求権者に該当しない第三者は、戸籍謄本の交付を請求できるのでしょうか。

これについては、戸籍法10条の2に定めがあります。

特に重要なのが、同条1項です。

まず、「自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合」については、「権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由」を明らかにすれば、請求できます(同項1号)。

「自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合」がどういう場合かというと、例えば、お金を貸したがその借主が返済する前に死亡してしまい、相続人に対し請求するような場合が考えられます。

次に、「国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合」については、「戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由」を明らかにすれば、請求できます(同項2号)。

「国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合」がどういう場合かというと、例えば、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てるには、相続人全員の現在の戸籍謄本を添付しなければならないとされていますが、そのような場合のことを指しています。

そして、「前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合」についても、「戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由」を明らかにすれば、請求できます(同項3号)。

もっとも、同項1号にも2号にも該当しないが「戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合」に、具体的にどういう場合が該当するのかは、難しい問題です。

 

弁護士等による請求(戸籍法10条の2第4項)

 

なお、弁護士等については、同条1項にかかわらず、受任している事件について必要がある場合は(弁護士については、裁判手続または裁判外における民事上もしくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務を遂行するために必要な場合は)、戸籍謄本の交付を請求できます。

 

立川弁護士 竹村淳(オレンジライン法律事務所)
当記事は平成30年9月18日時点の法律に基づき執筆しています。

Last Updated on 2018年10月11日 by takemura_jun