立川の弁護士「竹村淳」が専門的観点から執筆 法律コラム

サブリース(一括借り上げ)と賃料減額請求

コラム2022-08-08

弁護士が解説 サブリース契約「賃料減額請求」は拒否できる?

目次

1.サブリース(一括借り上げ)とは

2.サブリース(一括借り上げ)ビジネスの問題点

3.借地借家法に基づく賃料減額請求
 3-1.賃料減額請求の拒否は簡単ではない
 3-2.サブリース契約に借地借家法は適用される

4.賃料減額請求への対応方法
 4-1.賃料減額請求は直ちに応じる必要はない
 4-2.減額請求がなされた場合、どうしたら良い?
 4-3.サブリース業者の主張には冷静な対処が必要
 4-4.サブリース業者へは反論できる

5.まとめ

目次

1.サブリース(一括借り上げ)とは

サブリースとは、不動産会社が建物オーナーの所有する建物1棟を丸ごと借り上げて(一括借り上げ)、それを第三者に転貸借する取引形態をいいます。

サブリースは、一般的には、転借人の入居状況にかかわらず、建物オーナーに一定の賃料が支払われる契約内容となっており、いわゆる空室リスクを抱えなくてよいということが、建物オーナーにとってのメリットであると考えられています。

2.サブリース(一括借り上げ)ビジネスの問題点

不動産(土地)の有効活用に悩む不動産オーナーをターゲットとし、空室リスクを抱えることなく安定的に賃料収入を得ることができるということをセールストークとして(相続税対策にもなるということも言われるようです)、
不動産オーナーにサブリース用の建物を建築させ、サブリース契約を締結するというビジネスが現れました。
多くの場合、建物の建築資金は金融機関からの借入れによって賄われますが、不動産オーナーは、安定的に賃料収入が得られることを前提として、借入れをします。

もちろん、当初決められた賃料が継続し、何も問題が生じないというケースもあるでしょう。
しかし、サブリース業者から賃料の減額を求められる(それに応じた場合、借入れの返済も困難となる)ケースも、多数存在するのです。

3.借地借家法に基づく賃料減額請求

3-1.賃料減額請求の拒否は簡単ではない

一般論でいえば、契約すれば、一方的にその内容を変更することはできません。これは、契約法の大原則といえるでしょう。
では、サブリース業者からの賃料減額請求も拒否すればいいではないかという話になりそうですが、ここがそう簡単な話ではないのです。

3-2.サブリース契約に借地借家法は適用される

借地借家法32条1項に「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、
契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」という規定があり、これによれば、一定の要件を満たした場合は、賃貸人の同意がなくとも、賃料の減額ができてしまうのです(借地借家法に基づく賃料減額請求)。

そもそもサブリース契約について借地借家法の適用があるのかという点について疑問を持たれた方もいるかもしれません。
この点は過去に裁判で激しく争われましたが、サブリース契約についても借地借家法の適用があるというのが最高裁の考え方(判例)であり、サブリース契約についても、借地借家法の賃料減額請求はされるという前提で考えるべきということになります。

つまりサブリース契約では、
オーナーは「貸主」。サブリース業者は「借主」となります。
そのため、サブリース会社(借主)はこの借地借家法に保護されることになり、契約の条件に関わらずオーナー(「貸主」)に対して賃料減額請求ができるということになります。

4.賃料減額請求への対応方法

4-1.賃料減額請求は直ちに応じる必要はない

では、賃料減額請求をされた場合、どのように対応すべきなのでしょうか。
まず、注意しなければならないのは、借地借家法の賃料減額請求は、要件が満たされた場合にのみ認められるものだということです。
言い方を変えれば、賃料減額請求をされたら、直ちに応じなければならないものではないといことです。

改めて条文を出しますと、
賃料減額請求の条文は「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、
契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」というものであり、
①「土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減」、
②「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動」、
または
③「近傍同種の建物の借賃に比較して」、「不相当となったとき」
に認められるものであり、逆にいうと、この要件が満たされなければ(厳密には他の事情も考慮されるのですが、その点はとりあえず割愛します)、賃料減額請求は認められないということになります。

4-2.減額請求がなされた場合、どうしたら良い?

上述の通り、減額請求されたからと言って、直ちに減額に応じる必要はありません。
まずは当事者間で話し合いをし、減額の必要性を確認し、
減額をするとなった場合でも、減額について両者の合意を図っていく必要があります。

①まずは当事者同士で話し合い
当事者間での話し合いがまとまらなかった場合
②調停及び裁判による解決
という流れになります。

4-3.サブリース業者の主張には冷静な対処が必要

話し合いの際にサブリース業者は「近傍同種の建物の借賃に比較して」「不相当となった」という主張を繰り出してきます。
そして、もっともらしい根拠資料も添付されるので、一見すると、賃料減額請求にそのまま応じざるを得ないような錯覚に陥りますが、
しっかりとした対応により反論する事ができます。
つまり減額請求額を減額できる可能性があるという事です。

4-4.サブリース業者へ反論はできる

どうしたら反論ができるのか?
サブリース業者が提出してくる資料を精査し、そして、賃料減額請求の裁判実務においてどのような賃料決定がされているのかを主張することにより、反論することが可能です(ただし、徹底的に争った場合は、それはそれでリスクがあります。この点はまた別の機会に述べます)。

5.まとめ

サブリース(一括借り上げ)は、オーナーにとって
1.「不動産運用の手間がかからない」、「空室リスクに関係なく一定の賃料が得られる」等のメリットがあるが、

2.サブリース業者から賃料の減額を求められる(それに応じた場合、借入れの返済も困難となる)ケースも、多数存在します。

3.賃料減額請求された場合、借地借家法に基づく賃料減額請求が適用されるため簡単に拒否はできません。

4.だからと言って、減額請求されても直ちに減額に応じる必要はなく、当事者間での話し合いで請求額を減額できる可能性があります。

5.話し合いの際には、サブリース業者が提出してくる資料の精査し、過去の判例を挙げての主張が必要となり、
個人で対応するには限度があり泣寝入りするケースが多いのが実態です。

賃料減額請求の強い味方

そこでお役に立てるのが弁護士です。
サブリース業者から賃料減額請求を受けてお困りの場合は、
ぜひとも弁護士にご相談ください。

弁護士であれば上述の通り、資料の精査、賃料減額請求の裁判実務においてどのような賃料決定がされているのかを主張するお手伝いができます。
この様に過去の判例を元に反論をする事は、弁護士でなければできません。

なお、私が対応したことにより、
30%以上の減額請求に対して、約5%の減額で解決したこともあります。
突然の減額請求にお困りの方は、ご相談ください。

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